高橋さんの家

これは、私が小学1年生の時に体験したお話です。

このころ、よく夢が現実になることが増え始めていていました。
夢にもいろんな見え方があって、白黒で見える時とカラーで見える時があり、
夢が現実になるのはたいていカラーの時でした。

ある日、いつも遊んでいる山の坂道で、ひとりで遊んでいると、
ひとりのおばちゃんに「高橋さんの家、ぼく知ってる?」と道を尋ねられました。
下のバス停から上がってきた様子で、この辺の道に不慣れな感じでした。

私は「うん、高橋さんち知ってる。ぼくが連れて行ってあげるから、ついてきて」
そう言って、高橋さんの家の前までおばちゃんを連れて行きました。
「ここだよ」
「ぼく、親切にここまで連れてきてくれて、ありがとう。これ、お駄賃」
差し出された手のひらを見ると百円玉が見えました。

話はここで終わるのですが、とても鮮明なカラーの夢でした。

数日後、いつもの山の坂道で遊んでいると、
下のバス停の方から夢で見たおばちゃんが上がってきました。
「あ、おばちゃんが来た」
顔を見ただけでピンと来ました。
足早におばちゃんに近づき、話しかけました。
「おばちゃん、高橋さんちにいくんでしょ。ぼくが連れて行ってあげるから、ついてきて!!」。
おばちゃんはとても驚いた表情で訊きました。
「ぼく、なんでおばちゃんが高橋さんちに行くって知っていたの?」。
「夢でみたもん」私は答えました。

歩く間、しばらく黙っていたおばちゃんは
「ぼく何年生?」と訊き、
「ぼく一年生」と答えると、
しばらく間をおいて「… 変わった子だね」と言いました。

そして高橋さんの家に着き、
「この家だよ、高橋さんち」と伝えると、
「わざわざありがとうね。ぼく」とお礼を言うので、
「うん、いいよ。でもいらないよ、お駄賃。だってお母さんが知らない人からお菓子とかお金とかもらっちゃだめだっていつも言ってるから。じゃあねバイバイ」
そう言って、お駄賃を断り、おばちゃんに手を振りました。
「あっ…、ありがとうね。ぼく…」
おばちゃんも私に手を振ってくれました。


みなさんの中にも、こんな体験をした人いませんか?