弥生時代と秘密基地

このお話は、私が少年時代に体験した話です。

 

私は小学校低学年の時に、自宅付近に秘密基地を作り、そこでよく遊びました。

その場所を秘密基地に決めた理由は、貝の化石をその場所で、見つけたからでした。

ほぼ毎日おやつを持って秘密基地に行って遊んでいました。

冬休みに入ったある日のこと、いつも通り秘密基地に行くと、そこに三人の人がが立っていました。

それは、家族の霊だとすぐに、わかりました。お父さん、お母さん、子供。

歴史の教科書で見た弥生時代の人達の服装と似ていて、特にお父さんの髪型は長い髪の毛を左右に縛る

あの時代の特徴的なものでした。

最初は当然、驚いた。だけど不思議な事に、全く怖くなかった。むしろ、優しさとあったかさを強く

感じた。だからずっと見ていた、お互いに立ったままずっと。

気が付くと、辺りはすっかり暗くなっていて、慌てて家に走って帰った事は今でも鮮明に覚えている。

その後も、彼らと何回か遭遇したが、お正月を迎えてからは、彼らの姿は一度も見なかった。

その年の春ぐらいに近所の人に秘密基地がばれてしまい「ぼく、ここは危ないから気を付けてね。」

と声を掛けられてからは、次第に秘密基地に行く回数が減ったと思う。

それから、十数年後、社会人になった私は、福岡を離れ千葉で働いていました。数年ぶりに帰郷した

際、秘密基地があった場所の前を車で通った。

あの時の面影がそこには全くなかった。聞くと、そこは新たに区画整備され市営住宅が建築中だと聞か

された。母が「予定ではもう完成してるらしいんだけど、遺跡が出て工事がしばらく中止になったらし

いよ。新聞に出てたっておじさんが言ってたよ。」

すぐに近所に住むおじさんに、そのことを聞きに行って本当に驚いた。新聞の情報では弥生時代の貝塚

が発見されたたらしく、場所はまさに、あの三人家族の霊と出会った秘密基地があったあの場所だった。